
「肩に違和感があったけど、こんなに急に激しく痛むもの?」
「昨夜、急に肩が痛くて眠れなかった。これって何かの病気…?」
少しずつ肩が動かしにくくなったのか。それとも、ある日突然、強い痛みが現れたのか、
五十肩と石灰沈着性腱板炎では、この痛みの始まり方に違いがあります。

どちらも「肩が痛い」「夜に痛む」といった似た症状が見られますが、原因や適した対応は同じではありません。どちらも「肩が痛い」「夜になると痛む」など、よく似た症状が出ますが、痛みの原因、改善方法も違うところがあります。
本記事では、間違えられやすい五十肩(肩関節周囲炎)と石灰沈着性腱板炎の違いについて、分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 五十肩と石灰沈着性腱板炎は、どこがどう違うのか
- 「ある日突然の激痛」が出やすいのはどちらか
- 見分けの決め手になる検査は何か
- どんなときに整形外科を受診したほうがいいのか
結論:痛みの「出方」と、レントゲンに写るかどうかが分かれ目
こまかい話に入る前に、いちばん大事なポイントを先にお伝えします。
大まかに、次のように分けるとイメージしやすくなります。
- 五十肩 … 肩の動きがだんだん固くなり、痛みもじわじわと出てくることが多い
- 石灰沈着性腱板炎 … 肩の腱にカルシウム(石灰)がたまり、ある日突然、夜中に激しい痛みで始まることがある
そして、見分けの大きな決め手がレントゲン(X線)です。石灰沈着性腱板炎は、たまった石灰がレントゲンに写ります。一方、五十肩では、こうした石灰の影は写りません。

ただし、ご自身だけで正確に見分けるのは簡単ではありません。 慢性化した石灰沈着性腱板炎は、五十肩のように動きが固くなることもあり、症状が似てくる場合があるからです。
ですので、この記事の見分け方は「あたりをつけるための目安」として読んでいただき、気になる症状があるときは整形外科で確認してもらう、という流れがおすすめです。
そもそも五十肩とは?
五十肩は、正式には肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)と呼ばれます。「四十肩」と「五十肩」は、呼び名が違うだけで基本的に同じものを指します。
中年以降、特に50歳代に多くみられ、肩関節の周囲にある組織(骨・軟骨・靱帯・腱など)が年齢とともに変化し、炎症が起きることが主な原因と考えられています(日本整形外科学会)。
五十肩の特徴は、肩の動きがだんだん悪くなること(運動制限)です。

- 髪を整える、服を着替える、といった動作がしづらくなる
- 夜中にズキズキ痛んで、眠れないほどになることもある(夜間痛)
- 一般的には、痛みの強い時期・動きが固まる時期・回復していく時期、と経過していくとされています
痛みは急に始まることもありますが、多くは数週間から数か月かけて、じわじわと動かしにくさが進んでいくのが五十肩のイメージです。
そもそも石灰沈着性腱板炎とは?
肩には、腱板(けんばん)という、肩を動かしたり支えたりするための筋肉の腱の集まりがあります。石灰沈着性腱板炎は、この腱板の中にカルシウム(石灰)がたまり、それをきっかけに急な炎症が起きて強い痛みが出る状態です。

日本整形外科学会は、肩の腱板の中に沈着したリン酸カルシウム結晶(カルシウムの結晶)によって急な炎症が生じる病気だと説明しています。石灰がたまりやすいのは、腕を上げるときに働く棘上筋腱(きょくじょうきんけん=肩の上のほうにある腱)が多いことが、複数の研究で報告されています。
大きな特徴は、痛みの出方です。
- 突然、激しい肩の痛みで始まることがある
- あまりの痛さに、肩をわずかに動かすことも難しくなる場合がある
- 40〜50歳代の女性に多くみられるとされています(日本整形外科学会)
経過は、痛みが強い急性型(1〜4週間ほど)、亜急性型(1〜6か月ほど)、慢性型(6か月以上)に分けられます。急性型では、短期間に強い痛みが出るのが特徴です。
はっきりとした原因は、まだよく分かっていません。ただ、たまった石灰は、時間とともに自然に体へ吸収されて、痛みが落ち着いていくことも多いとされています。
五十肩と石灰沈着性腱板炎の違いを表で整理
言葉だけだと分かりにくいので、主な違いを表にまとめます。あくまで傾向であり、当てはまらないこともある点はご了承ください。
| 比べるポイント | 五十肩(肩関節周囲炎) | 石灰沈着性腱板炎 |
|---|---|---|
| いちばんの特徴 | 肩の動きが固くなる | 腱に石灰がたまって急に炎症が起きる |
| 痛みの出方 | じわじわ強くなることが多い | ある日突然・夜中に激痛のことがある |
| 原因 | 加齢による肩まわりの組織の変化・炎症 | 腱板の中へのカルシウム沈着(原因は不明とされる) |
| レントゲン所見 | 石灰の影は写らない | 石灰が写る(見分けの決め手) |
| 多い年代 | 40〜60代(特に50代) | 40〜50代(女性に多い) |
| 経過 | 数か月〜年単位でゆっくり回復 | 急性型は数週間で落ち着くことも/石灰が自然に吸収されることがある |
繰り返しになりますが、この2つは重なって起きることもあります。石灰沈着性腱板炎が長引くと、肩の動きが固くなる五十肩のような状態を伴うこともあるとされています。表はあくまで見分けのヒントとしてお使いください。
痛みの出方で見分けるヒント
「じゃあ、自分はどっちなんだろう?」と気になりますよね。完全な見分けは難しいのですが、痛みの始まり方を思い返すと、あたりをつけやすくなります。
- いつの間にか肩が上がりにくくなり、じわじわ痛くなってきた
→ 五十肩の傾向 - 昨日まで平気だったのに、突然、激しく痛みだした/腕をほんの少し動かすのもつらい
→ 石灰沈着性腱板炎の傾向
特に、「ある日突然の、耐えがたいほどの激しい痛み」は、石灰沈着性腱板炎でみられやすい出方です。
ただし、これらはあくまで目安です。慢性型の石灰沈着性腱板炎では、痛みが穏やかで動かしにくさが目立つこともあり、五十肩と見分けがつきにくくなります。
そして、石灰がたまっているかどうかは、見た目や動きだけでは分かりません。 はっきりさせるには、整形外科でのレントゲンなどの画像検査が必要です。セルフチェックは「受診の判断材料」くらいに考えていただくのがおすすめです。
整形外科では、どうやって見分けるの?
五十肩と石灰沈着性腱板炎を見分けるうえで、いちばんの手がかりになるのがレントゲン(X線)検査です。
石灰沈着性腱板炎では、たまったカルシウムがレントゲンに白い影として写ります。日本整形外科学会も、「X線(レントゲン)撮影によって腱板部分に石灰沈着の所見を確認する」と説明しています。必要に応じて、CT・超音波・MRIといった検査も合わせて行われます。
一方、五十肩では、こうした石灰の影は写りません。整形外科では、レントゲンで別の病気が隠れていないかも確認しながら、肩の状態を見極めていきます。
つまり、「肩が痛い」という症状は似ていても、レントゲンを撮れば、石灰があるかどうかで見分けられるというわけです。これは画像検査ができる医療機関(整形外科)でこそ、はっきりさせられる部分です。
なぜ見分けが大事なのか
「痛いのは同じなんだから、名前はどっちでもいいのでは?」と思うかもしれません。
でも、この2つは楽になっていくための道すじが少し違います。
石灰沈着性腱板炎で痛みが強い場合、整形外科では、腱板に針を刺してたまった石灰を吸い出す方法や、消炎鎮痛剤(炎症と痛みをおさえる薬)の内服・肩の中にある袋(滑液包〈かつえきほう〉)への注射などが行われることがあります(日本整形外科学会)。
痛みが長引く場合には、体の外から衝撃波を当てて石灰の吸収を促す体外衝撃波治療が検討されることもあります。石灰は自然に吸収されて落ち着くことも多いとされています。
五十肩は、時期に合わせて肩を休めたり動かしたりしながら、少しずつ回復を目指していくのが一般的です。
つまり、どちらの状態なのかがはっきりすると、今やるべきこと・避けたほうがいいことが見えてきます。 これが、見分けが大事な理由です。特に石灰沈着性腱板炎の激しい痛みは、適切な処置で早く楽になることもあるため、我慢し続けないことが大切です。
迷ったら、まず整形外科で確認を
ここまで読んで、「やっぱり自分では判断がつかない」と感じた方も多いと思います。

特に、次のような場合は、まず整形外科を受診して、レントゲンなどの検査で状態を確認してもらうことをおすすめします。
- ある日突然、夜中に激しい肩の痛みが出た
- 肩をほんの少し動かすのもつらいほど痛い
- 強い痛みやしびれが続いている
整形外科では、医師の診察と画像検査で石灰の有無を確認できます。痛みが強い時期には、医師による痛み止め(飲み薬・湿布)や注射で楽になることもあります。
都城市のはる整体院でできること
はる整体院には、国家資格である柔道整復師の資格を持つ施術者がいます。
「肩のどの動きで痛みが出るのか」「日常のどんな動作でお困りなのか」などを、一つずつ丁寧に確認いたします。
そのうえでお体の状態を的確に評価し、お一人おひとりに合わせた施術と、改善のためのセルフケアをご提案します。これらを通じて、痛みの軽減と、肩をスムーズに動かせる状態を目指します。
ただし、腱板に石灰がたまっているかどうかを見分けることは、レントゲンなどの画像検査ができる医師(整形外科)の領域です。当院で石灰の有無を診断することはできません。
そのため、突然の激しい痛みなど、石灰沈着性腱板炎が疑われる場合は、まず整形外科を受診されることをおすすめしています。
よくある質問(FAQ)
Q. 石灰沈着性腱板炎は自然に治りますか?
A. たまった石灰は、時間とともに自然に体へ吸収されて、痛みが落ち着いていくことが多いとされています。ただし、痛みが強い時期や長引く場合には、整形外科での処置で楽になることもあります。つらい痛みを我慢し続けず、一度相談してみてください。
Q. 五十肩と石灰沈着性腱板炎、両方あることはありますか?
A. 症状が重なることはあります。石灰沈着性腱板炎が長引くと、肩の動きが固くなる五十肩のような状態を伴うこともあるとされています。だからこそ、自己判断せずに画像検査で確認してもらうことが大切です。
Q. 肩は温めたほうがいいですか、冷やしたほうがいいですか?
A. 一概には言えず、個人差があります。今の肩の状態や時期によっても変わります。特に急に強い痛みが出ている時期は、無理をせず、まず整形外科で状態を確認してもらうのが安心です。
Q. 何科を受診すればいいですか?
A. 肩の痛みや動かしにくさは、まず整形外科が受診先です。
レントゲンなどの検査で、石灰沈着性腱板炎かどうかを確認してもらえます。
まとめ
最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 五十肩は「動きがだんだん固くなる」、石灰沈着性腱板炎は「ある日突然の激痛」が出やすいのが大きな違い
- 石灰沈着性腱板炎は、腱板にカルシウム(石灰)がたまって急に炎症が起きる状態
- 見分けの決め手はレントゲン(石灰が写るかどうか)
- ただし慢性化すると症状が似てくることもあり、両方が重なる場合もある
- はっきりさせるには整形外科での画像検査が必要
肩の痛みは、我慢して過ごすうちに動きが固まってしまうこともあります。「これって五十肩?それとも石灰?」と迷ったときは、一人で抱え込まず、まず整形外科か当院にご相談してください。
そのお悩み、都城市のはる整体院にご相談ください
「五十肩か石灰沈着性腱板炎か分からず不安」「病院には行ったけれど、そのあとのケアをどうすればいいか知りたい」
そんなときは、都城市のはる整体院にご相談ください。国家資格の柔道整復師が肩の痛みや動かしにくさを丁寧に確認し、状態に合わせた施術を行います。
痛みの軽減と、腕を上げたり服を着替えたりしやすい状態への改善を目指します。
参考にした情報(出典)
- 日本整形外科学会「石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/calcific_tendinitis.html
- 日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html
- Calcifying Tendinitis of Shoulder: A Concise Review.(石灰沈着性腱板炎の総説:好発部位=棘上筋腱・疫学・自然吸収・治療) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6014564/
- Calcific tendinopathy of the shoulder: clinical perspectives into the mechanisms, pathogenesis, and treatment. Orthop Res Rev. 2018.(機序・自然経過・治療) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6209365/
- Calcific tendinitis of the shoulder.(診断・画像所見のレビュー) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4295680/
