上腕二頭筋長頭腱炎と五十肩の違い|肩の前側が痛む方へ

上着に腕を通そうと肩の前側を押さえる女性を描いた、上腕二頭筋長頭腱炎と五十肩の違いのトップ画像

上腕二頭筋長頭腱炎は、力こぶを作る筋肉(上腕二頭筋)の腱が、肩の前側を通る骨の部分で摩擦などの負担を受けて炎症を起こしている状態です。
一方、五十肩(肩関節周囲炎)では、痛みに加えて関節そのものが硬くなる「肩の動かしにくさ(拘縮)」が目立つという違いがあります。

肩の前面から見た上腕二頭筋長頭腱と結節間溝、圧痛がみられることがある位置の目安を示す図解

この記事では、次のことをわかりやすくお伝えします。

  • 上腕二頭筋長頭腱炎と五十肩の主な違い
  • 痛む場所と動作から考えるときのポイント
  • 自分で動かす範囲と、人に動かしてもらう範囲の見方
  • 整形外科へ相談したい症状
目次

結論:見分けるポイントは肩の「前側の痛み」と「押さえた時の痛み」

上腕二頭筋長頭腱炎では、肩の前側の比較的限られた場所に痛みが出やすく、物を持ち上げる、肘を曲げる、手のひらを上へ向けるといった動作で痛みが強くなる傾向があります。

五十肩を見分ける大きな手がかりは、肩がいくつもの方向へ動かしにくくなることです。自力で動かせないだけでなく、力を抜いて人に動かしてもらっても可動域が制限されやすいという特徴があります。

ただし、これはあくまで見分けるための目安です。五十肩の初期は痛みが中心で、固さがまだ目立たないことがあります。また、長頭腱まわりの炎症肩の固さが重なることもあります

肩の前側の痛みと肩全体の動かしにくさが、同時にみられることもあると示す図解

上腕二頭筋長頭腱炎と五十肩の違いを表で比較

比べるポイント上腕二頭筋長頭腱炎五十肩
痛む場所肩の前側の、比較的限られた場所に出やすい肩の前~外側、肩の奥などに痛み、肩の固さを伴うことが多い
痛みが出やすい動作物を持ち上げる、肘を曲げる、手のひらを上へ向ける、頭より上へ手を伸ばす腕を上げる、外側へ回す、背中へ手を回す、着替える、不意の動作
肩を動かせる範囲肩が固まる状態を伴わなければ、比較的動かせる複数の方向で動かせなくなる事が多い
人に動かしてもらうと自分で動かすより動かせる範囲がひろがる力を抜いても動かせる範囲が狭いことが多い
夜の痛み出ることがある出ることがある

表の内容は典型的な傾向で、病名を決めるものではありません。とくに夜に痛むかどうかだけでは、両者を区別できません。

上腕二頭筋長頭腱炎とは

上腕二頭筋は、肘を曲げたり、手のひらを上へ向けたりするときに働く筋肉です。その腱の一つである長頭腱は、肩関節の中から肩の前側を通って上腕へ続きます。

「長頭腱炎」という呼び名がよく使われますが、実際には急な炎症だけでなく、繰り返す負担や年齢に伴う腱の変化を含むことがあります。

痛くなる動作の例

  • 肩の前側に、指で示せるような痛みがある
  • 荷物やフライパンなどを持ち上げると痛む
  • 肘を曲げる、手のひらを上へ返す動作で痛む
  • 棚の上へ手を伸ばすなど、腕を上げる動作で痛みが強くなる

研究では、上腕二頭筋長頭腱の不調は単独とは限らず、肩を支える腱など、ほかの肩の問題と一緒にみられることがあると報告されています。

五十肩とは

五十肩・四十肩の特徴は、肩の動きがだんだん悪くなること(運動制限)です。
医学的には「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」と呼ばれます。
40代で起これば「四十肩」、50代以降なら「五十肩」と呼ばれることが多いのですが、これは発症した年代による呼び分けで、状態そのものは同じです。

40〜60代、特に50代の方に多く、女性にやや多い傾向が報告されています(日本整形外科学会ほか)。
肩関節をつくっている骨・軟骨・靱帯や腱、関節を包む関節包などが年齢とともに変化し、その周囲に炎症やこわばりが起きて、肩の動きが制限されていくと考えられています。

痛みの始まり方には個人差がありますが、五十肩では一般に、数週間から数か月かけて痛みや肩の動かしにくさが徐々に強くなっていきます。
特に、自分で動かしても、人に手伝ってもらっても動きにくい」のが五十肩の重要な特徴です。。

見分けるときに確認したい4つのポイント

1.痛みが「肩の前側の一点」に近いか

長頭腱の不調では、肩の前側に痛みが集まりやすいとされています。

はる整体院で肩の状態を確認する際も、すべての方ではありませんが、肩の前側にある結節間溝(けっせつかんこう)という長頭腱の通り道付近に、圧痛(押したときの痛み)がみられることがあります。

この圧痛は、長頭腱の不調を考える手がかりの一つです。ただし、五十肩や肩を支える腱の不調などでも肩の前側が痛むことがあるため、圧痛の場所だけで病名を決めることはできません。

2.人に動かしてもらっても肩が固いか

五十肩では、自分で動かす範囲と、人に動かしてもらう範囲の両方が狭くなる傾向があります。

長頭腱の痛みが中心で、肩が固まる状態を伴っていなければ、力を抜いて動かしてもらったときの範囲は比較的残ることがあります。

ご家族が無理に押したり引いたりすると痛みが強くなることがあります。確認するとしても、痛みのない範囲にとどめてください。

3.どの動作で痛みが出るか

買い物袋を持つ、重いドアを引く、肘を曲げたまま物を支えるといった動作で肩の前側が痛む場合は、長頭腱への負担が関係していることがあります。

一方、洗髪、着替え、エプロンのひもを結ぶなど、肩をさまざまな方向へ動かす動作が広く難しい場合は、肩全体の固さも確認したいところです。

4.夜に痛むかどうかだけで判断しない

五十肩では夜中にズキズキして眠りにくくなることがあります。しかし、長頭腱を含むほかの肩の不調でも、夜に痛む場合があります。

夜の痛みはつらさを知る大切な情報ですが、病名を分ける決め手ではありません。

一つのテストだけでは判断できません

上腕二頭筋長頭腱の状態を確かめる方法として、腕や手のひらに抵抗をかける動作が紹介されることがあります。医療の現場では「スピードテスト」「ヤーガソンテスト」などと呼ばれます。

しかし、複数の研究をまとめた報告では、一つの動作テストだけで長頭腱の問題を確認したり否定したりする根拠は十分ではないとされています。

整形外科では、症状が始まった経緯、痛む場所、肩や肘の動き、力の入り方などを組み合わせて確認します。必要に応じて、レントゲン、超音波、MRIなどで、骨や腱、ほかの肩の問題を調べます。

腕に力が入りにくい症状もある方は、下記の記事も参考にしてください。

上腕二頭筋長頭腱炎と五十肩が重なることもあります

肩の前側に長頭腱があり、その周囲には肩を包む組織や、肩を支えるほかの腱があります。それぞれが近いため、一か所だけの問題として分けにくい場合があります。

実際に、五十肩の方では長頭腱の周囲にも変化がみられたという画像研究があります。ただし、その変化だけで長頭腱炎も同時にあると決められるわけではありません。

そのため、次のような場合は「長頭腱炎か五十肩か」の二択にせず、肩全体の状態を確認することが大切です。

  • 肩の前側が痛み、同時に肩全体も固い
  • 最初は動かすと痛むだけだったが、少しずつ動く範囲も狭くなった
  • 痛みを避けているうちに、着替えや洗髪が難しくなってきた
  • 対応を続けても、痛みや動かしにくさが強くなっている

まず整形外科へ相談したい症状

日本整形外科学会も、五十肩と上腕二頭筋長頭腱炎、石灰がたまる肩の炎症、肩を支える腱の断裂などを区別する必要があると説明しています。

強い痛みやしびれ、はっきりしたケガなどのきっかけがある場合は、整形外科医の受診をお勧めします。

肩の強い痛みやしびれ、けがなど、整形外科への相談を検討したい症状を示す図解

また、次のような症状がある場合も、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関へ相談してください。

  • ブチッ」という感覚のあとに内出血が広がった、または力こぶの位置が変わった
  • 発熱とともに、肩の赤み、熱っぽさ、腫れがある
  • 安静にしていても痛みが強くなり続ける
  • 痛みや動かしにくさが進み、日常生活への支障が大きくなっている

都城市のはる整体院でできること

はる整体院では、国家資格である柔道整復師の資格を持つ施術者が、肩の前側のどこに痛みがあるのか、自分で動かす範囲と支えて動かす範囲にどのような違いがあるのか、着替えや荷物を持つ動作で何に困っているのかを確認・評価します。

肩の痛む場所や動かせる範囲、困っている日常動作を確認する、はる整体院のサポート内容を示す図解

上腕二頭筋長頭腱の不調が疑われる場合でも、すべての方が最初から整形外科を受診しなければならないわけではありません。強い痛みやしびれ、はっきりしたケガなど、医療機関での確認を急ぐ症状がなければ、はる整体院へご相談いただけます。

ただし、すべての肩の痛みが整体の対象になるわけではありません。整形外科での確認を優先したほうがよい症状があれば、先に受診をご案内します。

よくある質問

肩の前側が痛ければ、上腕二頭筋長頭腱炎ですか?

肩の前側の痛みは手がかりの一つですが、それだけでは判断できません。五十肩などでも前側に痛みが出ることがあるため、痛む動作や肩の固さも合わせて確認します。

五十肩でも肘を曲げると痛むことがありますか?

痛みが強い時期には、肩まわりに力が入るさまざまな動作で痛むことがあります。一つの動作だけで五十肩を否定したり、長頭腱炎と決めたりすることは難しいです。

痛い肩は動かしたほうがよいですか?

長頭腱への負担が関係している場合は、痛みが出る持ち上げ動作を繰り返すとつらさが強くなることがあります。どの動きをどの程度行うかは、状態を確認してから決めましょう。

「上腕二頭筋長頭腱炎」と「五十肩」が、同時に起こることはありますか?

上腕二頭筋長頭腱炎と五十肩は、合併して(同時に)見られることも少なくありません。
実際に当院でも、これら2つの疾患が併発しているケースも4割ぐらいあります。

まとめ

  • 上腕二頭筋長頭腱炎では、肩の前側の痛みと、物を持ち上げる・肘を曲げる動作での痛みが手がかりになります
  • 五十肩では、自分で動かす範囲だけでなく、人に動かしてもらう範囲も狭くなりやすいです
  • 夜の痛みや一つの動作テストだけでは区別できません
  • 医療機関での確認を急ぐ症状でなければ、はる整体院でも状態に合わせた施術とセルフケアによって改善を目指せます

「肩の前が痛むから長頭腱炎なのか、肩が動かしにくいから五十肩なのか分からない」というときは、痛む場所だけでなく、動作と動く範囲を一緒に整理することが大切です。

肩の痛みで迷ったら、都城市のはる整体院へご相談ください

整形外科を受診したあとも肩の痛みや動かしにくさが続く場合はもちろん、強い症状はないものの今の状態に合うケアを知りたい場合も、都城市のはる整体院にご相談ください。

国家資格を持つ柔道整復師が、お一人おひとりの状態を丁寧に確認し、最適な施術を行います。 痛みの軽減はもちろん、「腕がスムーズに上がる」「服の着替えが楽になる」といった、快適な日常生活を取り戻すためのサポートを全力でいたします。

参考にした情報(出典)

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